Ruby on Rails の windows へのインストールについて ( Ruby 2.3 以前用 )


windows 10 には ubuntu の実行環境が含まれており apt-get コマンド等も使えるようです。 そちらも
試してみてはいかがでしょうか。
また、 pik uru という複数の Ruby 環境を切り替えて使用できるツールもあるようです。。

ここでは、windows 用にビルドされた Ruby を手動で windows に入れ、バッチファイルで PATH を設定
することにより Ruby を使用できるようにします。

とりあえず、下記を見てください。
Ruby on Rails 5 を Windows 7 にインストールしてみる - Qiita

上記の方法を踏まえて私の方では下記の手順でインストールしてみました。
また、私の方法は邪道かもしれません。 でも、フォルダごと削除するだけで『何事も無かった』ことにした
かったのです。

まず、準備です。
Rails では内部で javascript が使用されているようで javascript の実行環境が必要な場合があります。
javascript の実行環境には幾つかあるようですが、私は Nodejs をインストールしました。
このため、フォルダごと削除するだけで『何事も無かった』ことにしたかったという夢が潰えたわけですが、
javascript の実行環境は別と思い込むことにしました。

windows 用の Ruby は RubyInstaller for Windows からダウンロードするのですが、そのページに 64 bit
版は云々という記述があるので 32 bit 版を入れることにします。
また、2016 年 9 月現在、gem の sqlite3 が Ruby 2.3 に対応していないようなので、Ruby 2.2 を入れる
ことをお薦めします。
しかし、gem install sqlite3 する時にちょこっと小細工することで Ruby 2.3 でも sqlite3 が使えるように
なるので、ここでは、Ruby 2.3 を入れます。 やっぱり、最新版がいいですよね。たぶん、同じ要領で将来
のバージョン ( 2.4 など ) にも対応できると思います。 また、sqlite3 以外の Ruby 2.3 未対応のライブラリ
についても同様の手順でインストールできると思います。
ちなみに、sqlite3 の 1.3.12 以降では Ruby 2.3 に対応しており小細工の必要がありませんでした。

それでは、Ruby on Rails を windows に入れる手順を記述します。

  1. Ruby を入れるフォルダを作ります
    任意の場所に Ruby を入れるフォルダを作ります。 フォルダ名には空白を含めないようにして
    ください。 例えば、C:\trial\ruby などとします。
    ruby フォルダの下に bin フォルダと workspace フォルダを作ります。 bin フォルダには Ruby
    本体を入れます。 workspace フォルダで Rails アプリを作ったりします。
    • C:\trial\ruby\
      • bin\
      • workspace\
    という感じ。

  2. windows 版の Ruby 2.3 をダウンロードします
    RubyInstaller for Windows で、『ダウンロード』ボタンをクリックし、『Other Useful Downloads』
    の『7-ZIP ARCHIVES』の『Ruby 2.3.1』 ( 2016 年 9 月現在 ) という 7-ZIP で圧縮されたファイル
    をダウンロードします。

  3. ダウンロードしたファイルを解凍します
    解凍先の ・・・\ruby\bin フォルダの下に ruby-2.3.1-i386 フォルダを作って、そこに、 7-ZIP
    使って解凍します。
    • C:\trial\ruby\
      • bin\
        • ruby-2.3.1-i386\
          • ここに Ruby のファイル群
      • workspace\
    という感じ。

  4. Ruby への PATH を設定します
    windows のコマンドプロンプトで表示されるフォルダにバッチファイルを作成します。 例えば、
    ruby-2.3.1-i386.bat とします。 そのバッチファイルに下記のように記述します。
    ruby-2.3.1-i386.bat
    
    1
    2
    
    PATH = C:\trial\ruby\bin\ruby-2.3.1-i386\bin;%PATH%
    cd C:\trial\ruby\workspace
    
    1 行目
    Ruby への PATH を設定します。
    2 行目
    カレントディレクトリを workspace に移動します。

    これで、コマンドプロンプトを開いた後、ruby-2.3.1-i386.bat を実行することで Ruby が使用できる
    ようになります。

  5. DevKit をダウンロードします
    Ruby をダウンロードしたページ ( RubyInstaller for Windows ) の下にある『DEVELOPMENT KIT』
    をダウンロードします。
    Ruby は 32 bit 版の 2.3 をダウンロードしたので、ここでは、
    『For use with Ruby 2.0 and above (32bits version only)』の
    『DevKit-mingw64-32-4.7.2-20130224-1151-sfx.exe』 ( 2016 年 9 月現在 ) をダウンロードします。

  6. ダウンロードしたファイルを解凍します
    解凍先の ・・・\ruby\bin フォルダの下に DevKit-mingw64-32-4.7.2 フォルダを作ります。 7-ZIP
    の自己解凍ファイルになっているので、実行して DevKit-mingw64-32-4.7.2 フォルダに解凍します。
    • C:\trial\ruby\
      • bin\
        • ruby-2.3.1-i386\
        • DevKit-mingw64-32-4.7.2\
          • ここに Devkit のファイル群
      • workspace\
    という感じ。

  7. DevKit の設定を行います
    コマンドプロンプトを開いて ruby-2.3.1-i386.bat を実行後、解凍先の
    ・・・\ruby\bin\DevKit-mingw64-32-4.7.2 フォルダに移動し、下記を実行します。
    ・・・\DevKit-mingw64-32-4.7.2>ruby dk.rb init
    
    そうすると、config.yml というファイルが作成されるので、下記のように最後の行に 1 行追加します。
    config.yml
    
    …
    2
    3
    4
    
    …
    #
    ---
    - C:\trial\ruby\bin\ruby-2.3.1-i386
    
    4 行目
    Ruby を解凍したパスを設定します。 1 カラム目のハイフン (-) とスペースを忘れないで
    ください。

    そして、下記を実行します。
    ・・・\DevKit-mingw64-32-4.7.2>ruby dk.rb install
    
  8. gem 本体を最新の状態にします
    ・・・\workspace>gem update --system
    
  9. SQLite3 をダウンロードします
    SQLite Home Page で、『Download』ボタンをクリックし、32 bit 版の Ruby に合わせて
    『Precompiled Binaries for Windows』の『sqlite-dll-win32-x86-3140200.zip』 ( 2016 年 9 月現在 )
    をダウンロードします。

  10. sqlite3.dll を Ruby の bin フォルダにコピーします
    ダウンロードしたファイルは zip ファイルなので、エクスプローラーで中に入っている sqlite3.dll
    ファイルを ・・・\ruby\bin\ruby-2.3.1-i386\bin にコピーします。
    • C:\trial\ruby\
      • bin\
        • ruby-2.3.1-i386\
          • bin\
            • ここに sqlite3.dll をコピーする
        • DevKit-mingw64-32-4.7.2\
      • workspace\
    という感じ。

  11. gem の sqlite3 をインストールします

    1. 通常の方法で sqlite3 をインストールします
      コマンドプロンプトを開いて ruby-2.3.1-i386.bat を実行後、下記を実行します。
      ・・・\workspace>gem install sqlite3
      
    2. 2.3 フォルダの有無を調べます
      Ruby を解凍したフォルダの中
      ( ・・・\ruby\bin\ruby-2.3.1-i386\lib\ruby\gems\2.3.0\gems ) に
      sqlite3-1.3.11-x86-mingw32 フォルダが作成されているはずです。 そして、その
      sqlite3-1.3.11-x86-mingw32 フォルダの下の lib\sqlite3 フォルダを見てください。
      • C:\trial\ruby\
        • bin\
          • ruby-2.3.1-i386\
            • lib\
              • ruby\
                • gems\
                  • 2.3.0\
                    • gems\
                      • sqlite3-1.3.11-x86-mingw32\
                        • lib\
                          • sqlite3\
                            • 2.3\
          • DevKit-mingw64-32-4.7.2\
        • workspace\
      そこに 2.3 フォルダがあれば gem の sqlite3 のインストールは完了です。
      以降の小細工は不要です。
      2.3 フォルダが無かった場合は以降の小細工を行います。

      ちなみに、sqlite3 の 1.3.12 以降では Ruby 2.3 に対応しており 2.3 フォルダがあります。
      なので、小細工の必要はありません。

      下記の *3、*4、*5 について
      暗号化ライブラリ bcrypt 3.1.11 も Ruby 2.3 未対応でした。 この時はソースコードをダウンロード
      せずに

      ・・・\workspace>gem install bcrypt --platform=ruby
      

      だけでコンパイルしました。 sqlite3 も同様にソースコードをダウンロードせずに上記のコマンド
      だけでコンパイルできると思います。

    3. SQLite3 のソースコードをダウンロードします
      SQLite Home Page で、『Download』ボタンをクリックし、『Source Code』の
      『sqlite-amalgamation-3140200.zip』 ( 2016 年 9 月現在 ) をダウンロードします。

    4. ダウンロードしたソースコードを ・・・\ruby\src フォルダに入れます
      ruby フォルダの下に src フォルダを作り、さらに、その下に sqlite-3140200 フォルダを
      作って、SQLite3 のソースコードを入れます。
      • C:\trial\ruby\
        • bin\
        • src\
          • sqlite-3140200\
            • ここに SQLite3 のソースファイル群
        • workspace\
      という感じ。

    5. SQLite3 のソースコードを指定して gem install sqlite3 を実行します
      ・・・\workspace>gem install sqlite3 --platform=ruby -- --with-sqlite3-include=C:\trial\ruby\src\sqlite-3140200 --with-sqlite3-lib=C:\trial\ruby\bin\ruby-2.3.1-i386\bin
      
      sqlite3 以降の引数は以下の通りです。
      --platform
      ruby を指定してください。 これを指定しないと元の sqlite3 と混ざってしまいます。
      --
      必ず入れてください。以降がビルド用の引数であることを示します。
      --with-sqlite3-include
      sqlite3 のソースコードのありかを指定します。
      --with-sqlite3-lib
      sqlite3.dll のありかを指定します。

    6. 作成された sqlite3_native.so2.3 フォルダにコピーします
      Ruby を解凍したフォルダの中
      ( ・・・\ruby\bin\ruby-2.3.1-i386\lib\ruby\gems\2.3.0\gems ) に sqlite3-1.3.11 フォルダ
      が作成されているはずです。 その下の lib\sqlite3 フォルダにある sqlite3_native.so
      元の sqlite3 のフォルダの sqlite3-1.3.11-x86-mingw32\lib\sqlite3\2.3 フォルダにコピー
      します。 2.3 フォルダは新規作成してください。
      • C:\trial\ruby\
        • bin\
          • ruby-2.3.1-i386\
            • lib\
              • ruby\
                • gems\
                  • 2.3.0\
                    • gems\
                      • sqlite3-1.3.11\
                        • lib\
                          • sqlite3\
                            • sqlite3_native.so を
                      • sqlite3-1.3.11-x86-mingw32\
                        • lib\
                          • sqlite3\
                            • 2.3\
                              • sqlite3_native.so
                                にコピーする
          • DevKit-mingw64-32-4.7.2\
        • src\
        • workspace\

      これで小細工は終了です。

  12. Rails をインストールします
    ・・・\workspace>gem install rails
    

以上で Rails が windows に入ったはずです。

64 bit 版など異なったバージョンの Ruby を入れる場合も、上記と同様の方法で、バッチファイル名と
フォルダ名を変えて入れれば入ると思います。 この場合、コマンドプロンプト を開いた後、バッチファイル
を選択することで Ruby の環境を切り替えられます。
Ruby の環境を切り替えたい時は コマンドプロンプト を開き直すという手間がいるのが邪魔くさいですが。

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